太田和之税理士事務所

コラム

キャリアアップ助成金

2021年5月29日

キャリアアップ助成金をご存じでしょうか?
キャリアアップ助成金は数ある助成金の中でも比較的活用助成金です。
今回はその金額や対象者と対象企業やその注意点などについて解説します。
効果的な従業員活用を行い、会社の活性化を目指しましょう。

 

■キャリアアップ助成金の概要

キャリアアップ助成金とは、一言でいうと「非正規労働者」の正社員化、人材育成、処遇改善などの取組に対して助成される制度です。

対象となる事業主は
〇小売業(飲食店を含む)
資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者が50人以下
〇サービス業
資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者が100人以下
〇卸売業
資本金51億円以下または常時雇用する労働者が100人以下
〇その他の業種
資本金53億円以下または常時雇用する労働者が300人以下

 

■目的でわかれる7つのコース

キャリアアップ助成金はその目的に応じて、下記の6つのコースが用意されています。

 

①正社員化コース

有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に下記の助成金が支給されます。

ケース 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
有期→正規 570,000円(一人当たり) 570,000円(一人当たり)
有期→無期 285,000円(一人当たり) 360,000円(一人当たり)
無期→正規 285,000円(一人当たり) 360,000円(一人当たり)

 

②賃金改定コース

有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給した場合に助成するものです。
受給額は以下のようになります。

 

Aすべての有期契約労働者等の賃金規定を2%以上増額改定した場合

労働者数 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
1-3人 95,000円 120,000円
4-6人 190,000円 240,000円
7-10人 285,000円 360,000円
11-100人 28,500円×人数 36,000円×人数

 

B一部の賃金規定等を2%以上増額改定した場合

労働者数 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
1-3人 47,500円 60,000円
4-6人 95,000円 120,000円
7-10人 142,500円 180,000円
11-100人 14,250円×人数 18,000円×人数

 

③健康診断制度コース

有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合、下記の助成金が支給されます。

通常の場合 生産性の向上が認められる場合
380,000円 480,000円

 

④賃金規定等共通化コース

有期契約労働者に対し正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用した場合、下記の助成金が支給されます。

ケース 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
1事業所当たり 570,000円 720,000円
助成額加算(2人目以降) 2万円(上限20人) 24,000円(上限20人)

 

⑤諸手当共通化コース

有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合、下記の表のように助成金が支給されます。

ケース 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
1事業所当たり 380,000円 480,000円
助成額加算(2人目以降) 15,000円(上限20人) 18,000円(上限20人)
助成額加算(2つめ以降) 160,000円(上限10手当) 192,000円(上限10手当)

 

⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース

労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、基本給を増額した場合、下記の助成金が支給されます。

基本給の増加割合 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
2%-3% 19,000円 24,000円
3%-5% 29,000円 36,000円
5%-7% 47,000円 60,000円
7%-10% 66,000円 83,000円
10%-14% 94,000円 119,000円
14% 132,000円 166,000円

(一人当たり)

 

⑦短時間労働者労働時間延長コース

雇用する有期契約労働者等について、週所定労働時間を5時間、または週所定労働時間を1時間以上5時間未満延長するとともに賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースの実施により処遇の改善を図り、当該措置により当該有期契約労働者等を社会保険の被保険者とした場合、以下の助成金が支給されます。
 

A週所定労働時間を5時間以上延長し新たに社会保険に適用した場合

通常の場合 生産性の向上が認められる場合
225,000円 284,000円

 

B週所定労働時間を延長し、新たに社会保険に適用させることに加えて、賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合

延長した週所定労働時間 通常の場合 生産性の向上が認められる場合
1-2時間 45,000円 57,000円
2-3時間 90,000円 114,000円
3-4時間 135,000円 170,000円
4-5時間 180,000円 227,000円

(一人当たり)

 

 

残念ながら税理士はキャリアアップ助成金の代理申請を行う事は出来ませんが、興味がある方には提携している社会保険労務士をご紹介いたします。

少しでも気になった方は問い合わせフォームにてご連絡ください。