太田和之税理士事務所

コラム

インボイス制度③~制度導入後の対策~

2022年6月22日

前回の記事で「免税事業者は取引先から消費税分の値下げを要求される可能性がある」と伝えました。

納得出来る出来ないは別にして、制度が始まる以上これは受けれなければなりません。

重要なのは「受け入れた上で対策を打つ」という事です。

ではどのような対策が考えられるでしょうか。

 

対策① 経過措置の主張

一番の対策は「消費税分の値下げはしません!」と言ってしまう事です。しかし取引先が納得してくれない場合もあるでしょう。

そんなときは一度「値下げするにしても経過措置を勘案して欲しい」と伝えてはどうでしょうか。

 

実はこのインボイス制度、制度開始後から6年間は免税事業者からの仕入でも一定割合まで仕入税額控除できる経過措置が設けられています。

具体的には、仕入時に支払った消費税額のうち

 

A期間:2023年10月1日~2026年9月30日は80%
B期間:2026年10月1日~2029年9月30日は50%

 

を仕入税額控除することが認められます。

 

前回の記事の例でいえば

Bは免税事業者Aに消費税1,000円を含む11,000円を支払っている。

本来この1,000円はBが国に納める必要があるが、A期間中は1,000円の20%の200円だけ納めればよい(B期間中は500円)

 

となっています。

なのでAとしては「A期間中の消費税の負担増は200円なのだから、値引きは200円で勘弁してください」といった交渉が可能になります。

 

 

対策② 簡易課税

もう一つの対策は、売上が1000万円以下であっても消費税の課税事業者の届出をしてインボイスを取ってしまう事です。

これならば取引先Bから文句は出ません。

デメリットはA自身も消費税を納める必要があるという事です。

 

結局Aは預かった消費税1,000円を国に納めるならBに値引きしても同じじゃないか

 

と思われるかもしれませんが、実は少し違います。Aは簡易課税という消費税の計算方法を取ることが出来るのです。

詳細は省きますが、簡易課税で計算すればAが納める消費税は

預かった1,000円ではなく、1,000円×10%~1,000円×60%まで落とすことが出来ます。

 

このパーセンテージは業種によって異なります。卸売業なら10%、サービス業なら50%、といった具合です。

 

この簡易課税を使う事によって、「値下げをするくらいなら課税事業者になった方が得」というケースも多々発生するでしょう。

 

どのような対応になるのか、取引先次第にはなると思いますが、いずれにしても選択肢は自分の中に持っておくべきだと思います。

 

太田和之税理士事務所では消費税の納税義務やインボイス制度の相談も承っております。

安城市以外でも刈谷市・碧南市・大府市・豊田市・豊橋市等の愛知県全域に対応しておりますので、ご興味がある方は是非一度ご連絡ください。