太田和之税理士事務所

コラム

役員①「みなし役員」

2021年8月27日

税務調査において絶対に避けなければならない「重加算税」と「認定役員賞与」
この二つは他の否認項目等と違い

 

追徴税額が大きくなることが多い
・期ズレではないため、将来的にも払った税金が戻ってこない

 

という2点から、会社の経営に与えるダメージはかなり大きなものになります。

逆に調査官からしてみれば取れる税額も多く自らの出世にもつながる事から、この二点は積極的に(時に一線を越えて)納税者に認めさせようとしてきます。

この2つを避けるためには、それぞれが認定される要件や判例を頭に入れて税務調査に臨む必要があるのですが、突然国税通則法や判例を読んでも、それを正しく理解するためにはしっかりとした周辺知識をつける必要があります。

 

そこで数回にわたり「認定役員賞与」のうちの「役員」について説明させていただきます。

 

まず、役員には大きく「会社法上の役員」と「税法独特の役員」があります。
会社法上の役員とは取締役や執行役、会計参与等をいい、要するに謄本に記載されている役員です。
しかし税法ではこれにプラスして、より広く「役員」というものを定義しています。これがいわゆる「みなし役員」と呼ばれるものです。

 

・みなし役員

「みなし役員」は形式上役員ではないものの「それ、実質的に役員と同じだよね?」と言われてもおかしくない立場の人のことで、税法上も役員として扱われることになります。

 

通常の使用人のつもりで支給していたが、税務調査で「みなし役員」として扱われ、その者に対する賞与や残業代について損金不算入とされるケースが少なくありません。

そのため、「みなし役員」の判別は確実に行わなければいけないのです。

 

・みなし役員の定義

「みなし役員」は下記の2つのどちらかに該当するものと定義されています。

 

1.法人の使用人以外で、該当する法人の経営に従事しているもの。
2.同族会社の使用人のうち、株式所有割合の要件を満たす者。かつ、該当する会社の経営に従事している者。

 

1.は分かりやすく、「従業員でもないのに経営に口を出すなら役員」という考えです。具体的には会長や相談役といった立場で経営に従事している人が「みなし役員」となります。

 

2.は厳密に説明するのは難しいのですが、かみ砕くと「同族会社の大株主の親族で、経営に従事している人」の事です。
よくあるのは社長の奥さんが従業員の採用や賞与の査定、借入金の計画実行など重要な業務を行っている場合です。

 

・税務調査
実際の税務調査では調査官は往々にして「同族会社の大株主の親族」という形式要件だけで「みなし役員」と否認指摘する事があります。
実際には「経営に従事している」という実質要件で反論できるのですが、反論するだけの知識がないため否認指摘を受け入れざるを得なくなった法人も数多く見てきました。
是非ともこの要件は覚えておいてください。

 

如何だったでしょうか。
まだ言葉の定義の段階なので、あまりピンとくるものではなかったかもしれません。
しかしこの知識は今後会社経営する上で必ず役に立ちますので、必ず理解するようにしましょう。

なお、よく「みなし役員」と混同される言葉に「特殊関係使用人」があります。
こちらについては(→「役員②「特殊関係使用人」」)をご覧ください。

 

 

税務調査対策には税法の知識が欠かせません。

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